シラーは、本格的な長期熟成型赤ワインを産み出すことができる、高貴なブドウ品種です。通常用いられる、香りや風味を描写する言葉としては、ブラックベリー、カシス、黒コショウ、燻製香などがあり、辛口、濃厚でタンニンが強いワインとなります。
DNA鑑定により、シラーは黒ブドウのデュレザと、白ブドウのモンドゥーズの交配種であることがわかっています。親のふたつの品種はともにフランス・ローヌ地方原産ですが、かつては中東にシラーの起源があると考えられていました。このブドウ(Syrah)は、異なるスペル(Sirah)で綴られることがあり、オーストラリアや南アフリカではシラーズ(Shiraz)とも呼ばれています。シラーを、プティ・シラー(Petite Sirah)という品種と混同してはならず、というのもまったく別のブドウ品種だからです。より最近になって、プティ・シラーはデュリフという品種と同一だということが、DNA鑑定で判明しました。
カリフォルニアにおけるシラーの栽培は長く続いており、たとえば禁酒法以前にメンドシーノ・カウンティに植わっていたのが一例ですが、植え付けが大きく増加したのは1990年代です。2016年時点で、最も栽培面積が広いのはサン・ルイス・オビスポ・カウンティの949ヘクタール(2,346エーカー)、次いでサン・ホアキン・カウンティの749ヘクタール(1,852エーカー)、ソノマ・カウンティの684ヘクタール(1,691エーカー)と続きます。2016年におけるシラーの破砕量は108,355トンで、州全体のワイン用ブドウ破砕量に占める割合は2.6%です。