スパークリング・ワインを飲むと、心にいくつかの想いが浮かびます――お祝い、成功、贅沢、愛、ロマンス……。こうした心地よい連想は今日、過去のいかなる時代よりも強くなっているようです。スパークリング・ワインには甘さの程度がいろいろありますから、メニューを考える人は食前酒として使うこともできますし、塩の効いたナッツ、チーズ、軽くスパイスをした魚料理、アジア料理、揚げ物や炒め物、イチゴなどなど、多彩な料理にうまく合わせることもできます。
カリフォルニアには300軒以上、スパークリング・ワイン/シャンペインの生産者がいて、2016年にアメリカ合衆国内の市場へ向けて、1,100万ケースを出荷しました。アメリカ合衆国および諸外国で生産されたスパークリング・ワイン/シャンペインを合計すると、2016年にアメリカ合衆国内の市場へ向けて、2,560万ケースが出荷されています。アメリカ合衆国内のワイン市場において、このカテゴリーのワインが占めるシェアは6.4%です。
いくつかのアメリカ合衆国の生産者は、そのスパークリング・ワインのラベルに「シャンペイン champagne」と記しています。合衆国政府はこの語の使用について、2006年3月以前に生まれたブランドについてのみ、ラベル上のシャンペインの語に地理的原産地名を添えることを条件として、許可しているのです。上述の時点以降に生まれた、新しい合衆国のブランドについては、シャンペインの語の使用が認められていません。カリフォルニア産スパークリング・ワイン/シャンペインの生産に用いられる伝統的なワイン用ブドウ品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ブランですが、ほかにも多くの品種が、スタイル、製造法、価格帯に応じて用いられています。
以下に述べるのは、スパークリング・ワイン製造に用いられる、最も一般的な手法ふたつです。
スパークリング・ワインのスタイルは、極辛口(ナチュラル)から、辛口(ブリュット)、中辛口(エクストラ・ドライ)、甘口(セックとドゥミ・セック)まであります。(甘味が特に感じられないワインは「辛口」と呼ばれます。) スパークリング・ワインの中には、「ブラン・ド・ブラン」(シャルドネから造られたワイン)、「ブラン・ド・ノワール」(黒ブドウから造られたワイン)、ロゼまたはピンクと呼ばれるものも多くあります。(ロゼについては、少量の赤のスティル・ワインをブレンドに加えて造ることもあれば、赤い色素を含む黒ブドウの果皮に、短期間接触させて色づけすることもあります。)